ALWAYS 三丁目の夕日

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三丁目の夕日 (小学館文庫)

三丁目の夕日 (小学館文庫)

良かった。

自分の生きた時代とは別の時代を見たいと、日々願いながらニュース映画のフィルムストックのカラーを想像している皆さん、貴方のお探しの映像”昭和三十三年度”版が完成しましたよ!


塗装の荒れた鋼鉄製の蒸気機関車や、その車窓、ミゼット、天を目指し組みあがっていくトラスの塔・・・もうこれでもかとばかりに昭和三十三年を満喫できる仕組みになっている。それもみみっちい特撮のミスを気にしなくていいクオリティで。
素晴らしい。

脚本は普通かな・・メインのストーリーの展開が遅いのが気になる。
編集の段階で、町並みの再現に傾注するあまり、刈り込める部分を放っておいたのか、群像劇は冗長になりやすい物なのか? 二時間以内では再現できなかったものであろうかとは思う。


ここのところ最近はBSで「男はつらいよ」をやってて、家族がそれに嵌っている為、昭和の街角(大抵の昭和は40年代くらいなのかな・・・)の映像、又はその辺りの時間設定を持った映像を良く見る。
 懐かしくてたまらないという程にその時代を良く知っているわけでは無いし、全世代が共有できる日本の過去なんてあるとは思わんが(モーレツ大人帝国があんなに受けた後では、そういうのも多少はあるのかもねーという気分になるけどさ)この頃の日本人の大衆の単純さは、良いかもしれないな。

 つかモーレツ大人帝国の主旨は「進行・進歩していく事への肯定」の一点なので、基本的にこういう映画とか、単なる世代的回顧主義や、ラーメン博物館的偽者感に対しては、大いに否定だと思うんだが、どうよ?

更には、俺は父、ヒロシの回想に集約されるとりあえずまじめに働いて毎日を生きてきました的〜という一点が、どーしても気に入らない。
あの映画を見るときの最大の不満点になっている。
進行・進歩を肯定するなら、色んな人間の人生の多様性も肯定してくれよと思うんだよな。