安彦良和原画展

http://www.add-system.co.jp/yasuhiko/exh_works.html

原画展は当時の絵はだいたい79年あたりの絵から、ファースト当時の絵を大量に出展してまして、最近のファースト、オリジンがらみの絵から、ゴーグやら漫画家時代の大量の版権物が作品毎に紹介されていましたよ。

最初期のライディーンクラッシャージョウのイラストというより着彩した単なるアニメ絵から、ザンボットのロマンアルバムに描いた絵位のところから突然氏の独特のタッチにかわるところがちょっとショックでした。

しかし、だ。
何がショッキングだったかって、当時から今に至るまでの自分が描いたロボットのポーズやら手足の仕草が、まんま安彦良和の人物のポーズやらなんやらの劣化コピーである事をまざまざと見せつけられたのが、最もショッキングであった。
おおおおお、私、こんなにもあなた様からいろんな物をいただいていましたでしょうか?

確かに口ではイデオンの方が好きですと、湖川的なものに対するシンパシーを表明していましたが、
事、絵となると、バターで表面をカリっと揚げ固めたよな湖川節よりも、丁寧に面取りをして上等の出汁で煮しめた子芋のような安彦絵が、ハリウッドの陰影の濃い湖川絵よりも畳の表面を舐めるように茶の間を滑るアングルの邦画のような安彦絵が、私の体には多くしみ込んでいるのかもしれません。
と、いいますか、言い訳できない程私の描くいろんな物のいろんな部分は、安彦良和の大劣化コピー大会なのですよ。

ですから、当然、この展覧会は大変居心地の悪い気分がいたしました。

おそらく、まだ居心地の悪い思いをしてる人は多いと思います。
あの年代特有の重力から抜け出せないでいるのかもしれません。